ILLUSTRATION NOVEL 相性1%の恋 — 相性1%で恋愛は成立するのか…?

#11 相性99%

作:舟崎泉美

碧くんと結愛ちゃんは、テラスで話している。
こんな深夜に、何を話しているんだろう。
私は2人の様子が気になって、のぞき見をした。のぞきなんて趣味がいいとは言えない。でも、目を離すことができない。

「あのね、実はこの番組のAIシステムを使わせてもらったんだ」
結愛ちゃんの声が聞こえた。
「ちょっとした遊びのつもりで、仲良くなったスタッフさんに頼んだんだよ。でも、使ってみたら、これ遊びじゃすまないなって」
結愛ちゃんはもったいぶったように言うと続けた。
「番組の出演者の相性を、いろんな組み合わせで診断してみたんだ。そしたらね、私と碧の相性が99%だったんだよ」

#11 相性99%

Illustrated by yomunashi

結愛ちゃんの言葉に、碧くんは驚く。
「本気か?」
「すごいでしょ?」
「ああ、まあな」
「でね、思ったんだ。やっぱり相性って大事だなって」
結愛ちゃんは、大きく深呼吸すると真剣な表情で続けた。

「私は相性1%の蒼太と、デートやミッションを重ねてきた。でも、ずっとケンカばっかりで……。もう、この番組で恋愛は無理だなって思った時に、碧との相性が99%だってわかって、それからは碧を目で追うようになったんだ。でね、碧を見ているうちに気付いた。私は碧が合うなって……」
結愛ちゃんが何を言いたいのかわからなかった。

「驚かないで聞いてね」
結愛ちゃんの言葉に、私は息を飲んだ。

「……私は碧が好き」

結愛ちゃんの突然の告白に、私の頭の中は真っ白になった。

#11/16

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yomunashi

yomunashi

ゲーム会社で4年半背景デザイナーとして勤務後、2024年9月よりフリーランスのイラストレーターとして活動中。
知らない景色を見るのが好きで、旅行や散歩で出会った風景をヒントに生活感のあるごちゃごちゃとした密度の高い背景イラストを制作しています。

X@imo878787